シンガポール英語集中講座のすすめ

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シンガポールでの3年間の駐在中、インター校に通った中高生の子どもの英語力を現地の授業についていけるレベルにするために見つけた教育効果の高い語学学校を、帰国後、日本の中高生にも紹介したいと思い短期留学を企画しました。今年はこれまでとは異なるツアーです。英語の勉強は日本からでもできます。次回のツアーのご案内はこちらをご覧ください。

中高生を勉強させるアメリカの成績システム(GPA)

アメリカの公立の中高 では、毎日のように宿題が出て、毎週のようにテストがありますが、成績のいい子も悪い子も、全てそれをこなしています。それはなぜでしょう。

ひとつめの理由は前回こちらに書いたように、必須教科はレベルが選べ、選択教科は自分の好きな教科が選べるからですが、それだけではありません。

2つ目の理由、
それは、GPAというグレード(成績評価)システムです。
GPAとは、Grade Point Average 成績の平均点という意味で、宿題やテストを受けると、その結果が学校のシステムに入力され、教科ごとの平均点が算出されます。

この週末、中2の三男がとても時間と手間のかかるレポート作りと数学と英語と理科のテスト勉強をしていますが、
「グレードシステムがなければ、僕は絶対こんなに勉強していない」と断言しています。

先週の英語の成績が悪くて今週のアメフトの試合の出場停止になってしまったからです。
本当に楽しみにしていただけに、とても辛い通知でした。
でもアメリカでは、よく聞く話です。

成績が悪くても気にしませんが、試合や舞台に出られないのは、彼にとっては恐怖以外のなにものでもありません。

もちろん、一回のテストで決まったわけではありません。70点ギリギリだったため、一回のテストでこれまでの平均が下限の70点を切ってしまったのです。外国人だなんて、言い訳も一切通じません。

アメリカの成績評価はシステムを簡単に説明すると

  • 宿題やテストがすぐに採点・入力され、教科ごとの平均点(GPA)が算出される。
  • 学校の連絡システムを通じて、本人と保護者には常時、開示される。
  • GPAが悪い(70点以下)と課外活動(部活動、公演会、旅行)の参加停止
  • 成績のいい生徒は学年末に表彰  

 です。

例えばこれは三男の「アメリカ の歴史」の成績です。


9/14、9/27、10/3提出期限の日々の宿題はこなしています。
100点が4つ 95点が1つのため 宿題の平均点は99点
でも、宿題は成績GPAの20%しか占めません。



緑色のQuizzというのは小テストです。
そして、黄色がTest.1章ごとのまとめテストです。
Testは3週間に一度ほど、これの比重は50%と大きいです。
アメリカにきてまだ1年半、現地の生徒と一緒に予備知識もなく学ぶアメリカの歴史はかなり困難でいい点数を取ることができません。


そして、それらの合計の平均(GPA)が、日々更新されます。
教科の一つでも70点を切ると、課外活動の出場(出演)停止です。

現在の成績(GPA Grade Point Average )です。
1時限目 スペイン語 2時限目 理科(上級クラス)3時限目(歴史)4時限目(演劇)5時限目(英語)6時間目(学級活動 宿題をする時間)7時限目 数学 (上級クラス)8時限目 体育


ポイントは「毎日の成績の変化が、学期中いつでも確認できる」点です。
生徒たちは毎日のようにチェックしています。
メールでの通知も親が設定できて、デフォルトでは、遅刻、宿題の未提出、70点以下のテスト、90点以上のテストの連絡がその日にきます。

テストが悪かったり遅刻すればその日にわかるので対策がとれます。
テストがよければ、その日に褒めてあげられます。
中高生が「宿題をやった」と嘘をつくこともできません。
悪いテストを隠すこともできません。
学期末に成績が悪くて親が驚く、ということはありません。
非常に客観的で正確な評価ゆえ、文句のつけようがなく、進学先も就職先も大いに参照します。

先生の仕事は宿題を出さない生徒を叱ることではなく、ただ成績をつけてデータ入力することです。ドライですが、三男はこちらの方が生徒はずっと勉強すると言います。

アメリカの親が日本の親に比べてGPAを重視するのはそのためです。



こうしてアメリカでは、学校と家庭が連携を取りながら子どもの教育環境を整え、子どもは与えられた多くの課題を整理しながら締め切りまでにきちんとこなすことを学ぶのです。

10月18日追記

1)このシステムを、日本に取り入れる時は慎重に行ってください。
日本の高校でも、成績が悪いと部活動が停止になる学校があるのですが、成績が悪く部活動まで奪われてしまった生徒が不登校になってしまったと聞きます。(直接聞いたので実話です)
罰することは内面の成長につながらない、という意見もあります。






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